アニメ『昭和元禄落語心中』を見た

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Amazon Primeで、アニメ『昭和元禄落語心中』シリーズを全部見た。
漫画原作のアニメで、名前の通り、昭和時代の落語を巡る人間関係を描いた話。
話しの構成は3つに分かれており、
最初にメインキャラクターである与太郎が落語家・八雲に弟子入りしてからを破門寸前のところまでを描いた「与太郎放浪篇」。
八雲とその兄弟子・助六の過去を描いた「八雲と助六篇」。
与太郎放浪篇の続きで与太郎が助六を継承し、平成の初期ぐらいまでを描いた「助六再び篇」。
の三部作。

重い話も結構あるけれど、バカなんだかどうなんだかよく分からない与太郎の存在が全体を上手い具合に中和していたと思う。話しの最初と後半で大きく成長した与太郎と、変わらない七代目八雲。落語を通して描かれる愛憎劇。
話しが進めば進むほど引き込まれていく展開。
古典や改作、そして新作、様々な落語が登場する。古典だって登場した当時は新作であったはず。変化を追い求めるものと不変であり続けようとするもの、次に繋げようとするものと共に死のうとするもの。

このアニメを見るまで、落語というのはあくまで日本の伝統芸能の一つぐらいにしか思っていなかった。興味もなかったし、聞いてみようとも思わなかった。著名な落語家もテレビによく出ているような人しか知らない。
でもこのアニメを見てから落語に対する見方というものが少し変わったと思う。というより少し興味がでてきた。

アニメの後半でも、時代と共に新しい娯楽が次々と生まれて落語が下火になっていく様子が描かれている。
そんな落語の状況に危機感を持った作家・樋口に対して助六となった与太郎が放った一言

「こんないいもんが無くなる訳ねぇべ。」

少なくとも、アニメの舞台から20年ほど経った現在、より娯楽が多様化しているにも関わらず、落語はまだ存在している。
最近アニメからは離れていたけど、久々にいいアニメを見れた。これを機に落語も聞いてみようと思う。

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