ポケットモンスター みんなの物語を見て

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2018年7月13日から公開されている映画、『ポケットモンスター みんなの物語』を子どもと一緒に見に行ってきました。アニメでもずっと放送されているポケットモンスター。映画公開時のアニメシリーズはサン&ムーンですが、今回の映画にサン&ムーンのキャラクターは出てこずストーリーの関連性もありません。(以下ネタバレ含む)

ストーリー

物語の舞台は風と暮らす街、フウラシティ。街の発展にルギアが深く関係しており、以降、毎年行われる「風祭り」の最終日にはルギアが現れ、街に恵みの風をもたらしていきます。賑やかで活気のある街ですが、ある言い伝えにより、山に立ち入ることは禁止されています。それはゼラオラの呪い。50年前に発生した山火事により死んだゼラオラの呪いのせいで一般人は山に入ることができません。 そんな街で、ポケモンマスターを目指す主人公サトシ、元陸上部で怪我をした弟のためにポケモンを捕まえに来たリサ、つい嘘をついてしまうホラ吹きのカガチ、コミュニケーション下手なポケモン研究家のトリト、ポケモン嫌いのおばあさんヒスイ、そしてフウラシティの市長の娘ラルゴを中心に物語は進んでいきます。

フウラシティのイベント、ポケモンゲットレースで優勝したカガチの言葉、「この街にはレアポケモンがいるらしい。」の言葉。実はカガチはイカサマ(トリトの協力)によって勝利しており、この言葉も見栄を張るためについた嘘です。 トリトがカガチに協力する見返りは、しゃべることが苦手なトリトの代わりにカガチが翌日のポケモン研究の発表会で話すことでした。

翌日、何者かのいたずらによって風祭りの開催が危ぶまれるも、人間とポケモンたちの協力により、なんとか再開します。しかし、トリトの研究発表にカガチは間に合わず、発表会ではトリトが人前でしゃべることになります。しかもトリトは間違えて研究発表用の映像ではなく、前日のゲットレースの不正を証明する映像を流してしまい、発表会はめちゃくちゃになってしまいます。

そして風祭り最終日。街にはある異変が。ルギアが風を送るための目印にしている聖火が聖火台から盗まれ、街に風が届かなくなったのです。さらに研究所からはポケモンの特性「胞子」の研究成果が盗まれてしまいます。 研究所から研究成果を盗んだのはおなじみ、ムサシ、コジロー、ニャース、ソーナンスのロケット団。聖火の紛失と盗まれた研究成果が街に未曾有の危機に引き起こします。

ここまでで結構ネタバレしてしまいましたが、内容が気になる人はぜひ劇場に足を運んで下さい。

感想

ストーリーはよくできていて面白かったです。色々な世代、境遇のキャラクターが登場し、タイトル通りそれぞれの物語があるのですが、ラストに向けて互いの物語が絡み合い、収束していく様は見ていてワクワクしました。 映画にでてきた中で個人的に好きなコンビはカガチとウソッキーです。このコンビは結構人気が高いみたいですね。正直絵面ではイマイチぱっとしないコンビですが、映画を見る前と後で大きく印象が変わるコンビだと思います。後はヒスイとブルーのコンビ。二人の絆の強さは涙なしに語れないでしょう。

今回の話の核は、ポケモンと人間はどうやって共生していくのか?ということだと思います。 ゲームをやっているとつい、「ポケモンは人間に使役されている」というイメージを持ってしまいますが、ポケモンはもちろん道具などではなく、全てのポケモンが人間と関わりを持って暮らしているわけでもありません。人間には人間の、ポケモンにはポケモンの世界(コミュニティ)があって当たり前です。場合によってはポケモンによって人間が被害を受けることも普通に考えられるわけです。 この映画では人間とポケモンどちらかが中心になった話というより、どちらにもフォーカスを当て、どうやって共存していくべきかを描いているように感じました。

ゲスト声優さんの演技も上手でした。野沢御大はもちろん、大倉孝二さんと濱田岳さんの声の演技は、俳優さんであるにも関わらずお二人の顔がでてこなかったです。ラルゴ役の芦田愛菜ちゃんの演技も良かったのですが、個人的にはキャラの年齢に対して声が大人っぽいかもという印象を受けました。

また、今回もてっきり湯山邦彦監督だと思っていたのですが、違う方だったんですね。今作の監督は前作「キミにきめた!」で副監督を努めていた矢嶋哲生監督らしいです。ポケモンのDNAはしっかりと感じました。 作画もきれいで、キャラクターデザインもテレビアニメシリーズとはテイストが違います。

気になった点

あくまでもアニメ作品なので、あまりいうのもどうかと思ったのですが、気になる点も多少ありました。 1つ目は危険物の取扱について。ロケット団に盗まれた研究結果のことです。 管理が雑だったせいで盗まれてしまうのですが、そもそも研究所と名のつく施設がそんな危険物を雑に管理しているのは色々とダメでしょう。

2つ目はラルゴの行為について。 彼女はゼラオラを守るためにあることを行うのですが、そのことによりフウラシティのライフラインが危険にさらされてしまいます。最後はなんとか収まったといえ、なんか釈然としません。そもそも、子どもがそんな重要物を盗めるような管理体制もどうかと思います。フウラシティは危機管理の意識が弱すぎます。

そして、物語途中にでてくる密猟者と彼らに捕まったポケモンの扱いについて。 カガチのレアポケモンがいる発言のせいでフウラシティにやってきた密猟者の二人組。道中様々なポケモンを捕まえながらゼラオラのところにたどり着くものの、サトシたちによって返り討ちにあいます。その後、ロケット団のせいで騒動が起こるのですが、密猟者についてはそれ以降語られていません。かなり嫌な連中だったので、EDでジョーイさんに捕まっているなど、なんらかの描写は欲しかったです。でも逆に考えると描写できない理由があったのかもしれません。例えば彼らは痺れたまま森の中に放置され、そのまま・・・。

と、色々と大人気ないことを書きましたが、映画は本当に面白かったです。 絡みは少ないですがルギアも出てきましたし。最後、ルギアが雨を降らして山火事を鎮火させるシーンは待ちに待った登場といった感じで、子どもを差し置いて一人興奮していました。

雨降らし、鎮火・・・・・・・ペリッパー・・・・・・・・・・・・・・・・。

ちなみに来年のポケモン映画はあのポケモン映画が帰ってきます。僕は赤・緑世代なので今から楽しみで仕方ありません。

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