Jazzのことをもっと知りたくなる漫画「BLUE GIANT」

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僕はハッキリ言って音楽について詳しいことは全く知らない。
iPod touchはほぼ語学学習専用機と化しているし、音楽を聴く機会と言えば車に乗っているときのFMラジオぐらい。
特にこれといって好きなジャンルはないが、Jazzだけはあまり接する機会がなかった。

そんなJazzを取り扱った漫画がBLUE GIANT(公式サイト)。
サックスプレーヤーとしての主人公、宮本大の成長と青春を描いた物語。


主人公の宮本大は幼少期からずっと音楽をやっていたというわけでもない、バスケ部に所属するどこにでもいる高校生だった。多くの他の高校生のように、自分の将来に対して不安を抱え、悶々とした毎日を送っている中で出会ったのがJazz。その出会いが彼の人生を変える。
最初は独学で練習していたの大。独学なので上手くはなかったが、師匠である由井と出会うことでサックスプレーヤーとしての実力を伸ばしていく。そして高校卒業後、上京してJassというバンド組み、その後より大きな舞台を求めてドイツへと渡る。


Jazzの漫画なので作中にはもちろんJazzのシーンがある。主人公である大のサックスの魅力は力強さ。
この作品で驚いたのは、”音のない”漫画という媒体の中で、大のサックスの力強さを表現しているということ。僕はJazzのライブを生で見たことはないけれど、そんな僕でもその迫力をイメージすることができる。

それに主人公である宮本大のキャラクターも魅力的だ。
大にはサックスプレーヤーとしての才能はあるんだろうけど、誰もがうらやむ”天才”というものではない。ただひたすらに練習を続けたからこその才能。努力によって裏打ちされた自信。実際、作中でも大の演奏が評されるときに、彼自身が天才だと評価されたことはなかったように思う。
そして、大のすごいところは自分の信じたものに対して真っすぐであること。
例えばドイツでバンドメンバーを探すシーン。普通なら諦めるような状況でも大は諦めない、というか諦めるという選択肢が無いように思う。なぜなら、自分ならできると信じているし、自分がやりたいと思っているから。
そんな、いい意味での単純さが気持ち良く、こうありたいと思わせてくれる。
世界を舞台に大がどう成長していくのか、目が離せない。

Jazzに興味がでるだけでなく、モチベーションも上がるこの作品はぜひ読んでおくべき。