人類が乗っ取られそうになった時、立ち向かえるのは女子高生だけなのかもしれない

f:id:nusoopy:20180110100403j:plain

より具体的に言うと、サバイバル知識に富み、冷静な判断を下せる女子高生と、お金持ちの女子高生+α。
何の話かというと、最近読んだ漫画、『バイバイ人類』の話。(ややネタバレあり)

あらすじ

バイバイ人類のあらすじは、

珍しく友達に誘われ肝試しに参加した中学生の真山真矢。そこで目にしたのは襲われるクラスメイトだった!! 恐怖を胸に翌朝学校に向かうが、そこには襲われたはずの友達の姿が…。ある日突然友達が「奴ら」に乗っ取られていく…!! ぼっち系女子が抗する日常崩壊系パニックホラー!!
(出典) amazon.co.jp

というもの。

よくある、人類が別の存在に乗っ取られていくのに気づいた主人公たちが立ち向かっていくストーリー。といっても主人公は超能力のような特別な力を持った存在ではなく、ただの女子高生。”ただの”というのは語弊があるかもしれない。なぜなら彼女は、普通の人なら持っていない簡易爆弾作成といったサバイバルの知識と、ピンチになっても判断力を失わない冷静さを持ち合わせているから。
途中、仲間だった女子高生がいつの間にか乗っ取られていたり、謎の存在に対して敵意むき出しのお金持ち女子高生と、そのハイスペック従者が仲間になったり、警察の一部と協力したりといったかたちで話が展開していく。主人公の目的は彼らから人類を守るといった崇高なものではなく、あくまでも自分の生活圏とその中にいる人々をできるだけ守り、乗っ取られた友達を元の人間へ戻すこと。

読後の感想

パニックホラーといいつつ、物語は終始淡々と進んでいく。途中、「なぜこの子は普通の女子高生なのに色々とやらされているんだ?」と疑問に思いつつ、彼女の持つ知識で窮地を抜け出していく様は面白い。とはいえ、あきらかに異常事態であるのに公的機関は一体何してるんだ?と思わざるをえなかったり、主人公の知識は父親の影響なのだけれど、その父親は6年前に失踪したとだけ語られて、結局最後まで言及されなかったり(この事件に関係があるかどうかも分からない)、話の内容については色々と思う部分はある。
個人的に好きだったのは、後半敵の主要キャラクターのある脅しに対して、「私は人間を信じる」ではなく、「それはちょっと困る」といった返しをしたところ。これはちょっとリアルだった。
パニックホラーというほどのシリアスさはなく、ストーリーにも大きなメリハリは無いけれど、絵は上手だし、全5巻という巻数なので気軽に楽しめる作品だと思う。