古くなった本革の財布を染め直して使う
先日、知人から財布を譲り受けた。
しかし、見てもらうと分かるように結構年季が入っている。聞くと、かれこれ5年ぐらいは使用しているらしい。しかもその間、手入れなどは一切していないとのこと。
せっかくなので靴ケア用品でなんとなくケアしてみることに。一部に大きなシミがあり、その部分が特に気になったので入念に手入れしたもののあまり変化は見られない。
その状態のまま使うのは嫌だったので、「これはこのままお蔵入りかな」と思っていたのだが、たまたま購入した本に革の染め方の説明が載っていたので試してみることにした。
(ちなみに購入したのはレザークラフトの本で、解説されてあったのはヌメ革に色を載せる方法だった。今回のように一度染めてあるものに対して、そのまま適用するのが適切かどうかはわからないので、もし参考にする方がいれば、くれぐれも自己責任でお願いします。)
用意したもの
用意したのは以下のもの- 染めQ クリーナー 100ml
- 染料 オイルダイ 118ml 黒 1180011-01 80011-01
- クラフト社 革工具 クラフト社 ニートフットオイル 100ml 2219
- クラフト社 革工具 レザーコート 100ml 2211
- 刷毛 3本セット
- 染料などを入れる器(100均)
- ビニール手袋(100均)
作業開始
新聞紙をひいて、早速作業に入っていく。1. レザーソープで洗った後、色をのせる部分に染めQを使う
今回の場合、財布自体を一度レザークリームなどでケアした直後だったので、前準備としてレザーソープで丸洗いすることでクリームを落としておいた。既製の革製品にはすでに色落ち防止などのコーティング剤が塗られているので、まず染めQクリーナーでそれらを除去。結構シンナー臭いので、絶対に換気の良い場所で作業すること。
塗った後は乾くまでしばらく放置。とりあえず1時間ぐらい待ってみたら、十分乾いていた。
オイルダイを塗り重ねていく
まず、オイルダイを必要な量だけ器に移す。その後、刷毛を使って塗っていく。ポイントとしては一気にたくさん塗る感じではなく、薄い層を何回も重ねていくイメージ。色がついてきたらその状態で一旦乾燥させる。
本には4時間ほどと書いてあったけれど、2時間ぐらいで乾いていたのでそのまま次のステップに進んだ。
ちなみに、塗りたくない場所はマスキングテープで必ず保護しておくこと。
面倒くさかったのでそのまま塗ってしまったら、余計な部分にも少し色がついてしまった。
もう一度オイルダイを塗り、乾いてきたらニートフットオイルを塗りこむ
最初に塗った分が乾いたら、その上にもう少し塗り重ねていく。(本ではブラウンの濃淡をつけるためにこの作業を行っていたので、今回のように黒一色にする場合は必要なかったかも知れない。)ある程度乾いてきたら、古くなったTシャツの切れ端を使ってニートフットオイルを塗りこんでいく。
そのまましばらく放置。
レザーコートでコーティングする
オイルが乾いたらその上に刷毛か布でレザーコートを塗っていく。(本ではスプレーを使用)レザーコートをすることで、染料をコーティングし、色落ちや汚れを防止する効果があるらしい。
完成
レザーコートが乾いたら完成。レザーコートを塗りすぎたのか、乾いた直後はややベタベタしていたが、一晩置くとそのベタベタもほとんどなくなり、指に染料もつかない。
後は、実際に使用してみて不具合がなければ完璧。
まとめ
乾くのを待つ時間などを合わせるとほぼ1日仕事になってしまった。でも、初めて革染めに挑戦したにしては上手くいった方なんじゃないかと思う。何より、あんなに汚かった財布がすごく新しく見えて、使っていく楽しみができた。挑戦するまでのハードルは高かったけれど、実際にやってみると結構簡単だったので、今度はオークションで色褪せた本革のカバンとかを安く手に入れて塗り直して使ってみたい。
備忘録
- 染料が手についてしまうと落ちにくいので、ビニール手袋はあると便利。100均で購入できるので用意しておいた方がいい
- 多分ニートフットオイルとレザーコートを塗りすぎている。どの程度が適量かという感覚は数をこなさないと得られないと思う
- レザークラフト用品はAmazonで買うと高くつく場合がある。今回は東急ハンズで購入したが、調べてみるとAmazonの方が倍以上高い場合もある
- 合皮など、本革以外の部分があると染料が上手く定着せずに、色移りする危険性がある