トクサツガガガが面白い

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特撮は子供向けに作られています。しかし、大人になっても変わらず好きな方はいると思います。しかしそれを大っぴらにしながら生きていくのはなかなか大変です。
それが、特撮オタクを題材にした漫画「トクサツガガガ」の主人公「仲村叶」が置かれている状況です。
トクサツガガガは特撮好きの女性、仲村叶を中心に特撮好きの大人が直面する問題や、おもちゃなどに関する様々な葛藤などが描かれています。

仲村さんは26歳のOLさん。職場では女子力が高いと見られているけど、実は“女死力”たぎる「特オタ(特撮オタク)」! オタバレが怖くて、一人ぼっちでコソコソしながら生きてるよ。人目につかないフィールドのカプセルトイを求めて街をさすらったり、一人カラオケで“特ソン(特撮ソング)”歌いまくったり… ヒーローの言葉を胸に、今日も進むよ「特オタ」道!

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主人公の叶の場合、特撮が好きだけど母親の影響で距離を置かないといけないという抑圧期間が長ったので、大人になってからの反動も大きいんだと思います。好きなものを好きと言って何が悪いのか。話しの中では特撮に関するあるあるなどたくさんの話題がでていますが、特撮に対して特別な知識がなくても十分に楽しめる内容です。

自分も特撮が好きですが、確かに周りに特撮が好きな大人はいません。昔の作品だと
「あー、見てたわー。変身ごっことかめっちゃしてた。」
「基地がロボットになるやつもあったよな。」
という風に盛り上がったりするのですが、最近の作品の話をしようものなら
「え、分からん。っていうかまだそんなの見てんの?」
という言葉とともに、憐みの視線を向けられます。
あと、本にも似たような話がありましたが、人気のある俳優が特撮出身だということを告げると
「それって本人とって黒歴史じゃないの。プロフィールにもないし。」
と言われることもあります。そう言われる度に主人公同様

黒歴史ちゃうわ。

と、心の中で叫ぶのです。
確かに特撮出身である言いたがらない俳優もいるかとは思います。特に特撮が初めての演技経験の場合、自分の下手な演技への恥ずかしさもあるでしょう。けれど、1年間子供たちの期待と憧れを背負ってスタッフと共に汗水流して作り上げた作品を黒歴史といっていいのでしょうか。人気がでるまでの踏み台として特撮ヒーローを利用し、人気がでたら無かったことにする。そんなビジネスライクなヒーロー嫌や。

と、このような特撮好きなら誰もが経験するような話しが本の中には詰まっています。

ていうか、自分の場合、興味があるのがキャラクターの「造形」だけなので、俳優が特撮ヒーローを黒歴史にしてても正直どうでもいいです。ただ、インタビューとかで「ヒーローをやってた時は~」と、特撮出身であることを気兼ねなく答えている人を見ると好きになります。