「外資系投資銀行のエクセル仕事術」でExcelを学ぶ

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今の仕事に代わってから、Excelを使用する機会が劇的に増えました。Excel自体は以前から業務で使用していたので、簡単な関数程度であれば問題なく扱えるのですが、現職では外部データを読み込んで処理したり、膨大な数のデータを扱ったりと、Excelを業務の中心で、より本格的に使うようになりました。そのため、多くの関数やマクロ、VBAを使えた方が楽だなと思うことが多々あります。

今の業務に就く前は、Excelといえばデータを入力して管理する、必要に応じてグラフを作れるソフトぐらいの認識しかなかったため、これを機にきちんと勉強してみようと思い「外資系投資銀行のエクセル仕事術」という本を購入してみました。この本を選んだ理由は「外資系投資銀行」という部分で、なんとなく難しい関数や機能を多用した高度なことをしてそうなイメージがあり、さらにKindle版だと割引がついてさらに300ポイントほどもらえるので、実質1,200円という比較的安価で購入できたからです。
Kindle版の良さは注文の配送を待つことなく、ダウンロードすることですぐに端末で読むことできること。早速読んでみました。

タイトルの雰囲気から、マクロやVBA、関数を使用して複雑で高度なExcelの使い方について書かれているのかと思っていましたが、それらに関してはあまり触れられていません。そういった意味では正直期待外れでしたが、本の中でも著者は「なるべく複雑な計算などを使用せずに、大人数でも共有に支障がないファイルが良い」という風に書かれてるので、そもそも本の内容と自分の求めているものに違いがあったようです。これは完全に、購入の前に内容をきちんと確認しなかった自分の責任です。ただ、じゃあ購入は失敗だったのかというと、そういうわけでもなく、それどころか購入して良かったと思える有意義な内容が多かったです。

少しだけ紹介すると、まず前半部分ではどうすれば見やすく、効率的なExcelファイルを作ることができるのかということがメインに説明されています。知っている内容や普段から気を付けていることと同じようなことが書かれていたので、特に目新しいとは思わずに、正直この時点では(ちょっとこの本を買ったのは失敗だったかな)とすら思っていたのですが、後半部分を読み進めていくにつれ、そういった気持ちは評価が改まっていきました。
後半部分では、他人にとっても見やすいExcelの作り方や計算式の確認方法、ショートカットの有用性、収益シミュレーションについて述べられています。特別知らなかった機能の紹介というよりも、どちらかといえば今まで意識していなかった大切な部分を再確認させてくれるような内容が多く、より見やすく整理されたExcelファイルを作らなければという意識に変わります。
個人的には最初のシートにファイルのシート構成を載せるということ、そして、「Alt」「M」「M」のように順番に入力していくタイプのショートカットの有用性について述べられている部分が参考になりました。それまでショートカットといえば定番の「Ctrl+c」や「Ctrl+v」しか使っていなかったのですが、Altから始まるショートカットを使ってみることで確実に作業時間を短縮できそうな印象を受けました。

全体的にマクロ、VBAに関する記述はほとんどなく求めていた内容と違っている部分はありましたが、結果として購入して良かったです。普段なんとなくExcelファイルを作成している人全般におススメできる内容ですが、特におススメしたいのは、大学生や新社会人これから本格的にExcelファイルを使用した業務に取り組んでいかなければならない方でしょうか。
反面、高度なことに関する記述は少ないため、すでに業務でバリバリExcelを使用している人はあまり期待しない方がいいかもしれません。