E-M5と神戸街歩き

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僕がE-M5を購入したのは2013年。当時海外からの短期留学から帰ってきたばかりで無職な上、翌年には大学への入学を控えているという状況にも関わらず、決して安いとはいえないE-M5を購入したのは単純に子どもの写真を撮りたかったから。 カメラを手に入れた嬉しさと子どもが生まれた嬉しさから、購入当初はバチバチ撮っていたけれど段々とその回数も減っていった。撮らなくなった理由はいくつかある。機能が多すぎてどのモードを使えばいいのか分からないこと、そしてそのサイズだった。マイクロフォーサーズのミラーレス一眼なので比較的サイズはコンパクトな方だとは思うが、それでも子どもを連れて公園や動物園などに遊びに行った時などはやや邪魔に感じることが多い。また、子どもから目が話せないので中々ファインダーを覗き込む余裕もない。 スマホのカメラも年々性能が上がってきていることも理由の一つ。スマホならアプリを使って家族や友人とシェアすることも簡単なので、段々とスマホで撮影する機会の方が多くなっていった。

そんな中、たまたま本屋でカメラ初心者のための分かりやすい本を見つけたので思わず購入してしまった。 その本を参考に、棚の奥に眠っていたE-M5を取り出して神戸の街で初めてのフォトウォークをしてきた。

三宮駅を降りてセンター街へ。ただし、センター街での目的は写真撮影ではなく買い物。人が多い中、バシャバシャとカメラを撮る勇気はまだ僕にはない。 そして買い物を済ませた後、人通りが比較的少ない海側へと向かって歩いていく。

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さて、意気込んでフォトウォークを始めたのはいいものの、何を撮ったらいいのか分からない。趣のあるビルは多いがそれをわざわざ写真におさめたいかとい聞かれると微妙。そうして一枚も写真を取ることなく歩き続けること十五分、ふと空を見上げると、ちょうど台風が迫ってきている日だったために何とも迫力ある空模様になっていたのでシャッターをきる。これが記念すべきフォトウォーク一枚目。

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一旦撮り始めると、さっきまで何を撮ろうか迷っていたのが嘘みたいにどうでもいいものまで撮りたくなってくる。 動きのある写真にも挑戦したくて歩道橋の上から車の流れを撮ってみたが、シャッタースピードを遅くすると明るくなってしまって上手く撮影できない。しばらく歩道橋の上で試行錯誤してみたものの、思い通りの写真を撮ることができなかったために諦めてメリケンパークの方に向かう。決して後ろを通る人の、「何してんだこいつ?」という視線に屈したわけじゃない。

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メリケンパークを知らない人に対して一言で説明すると、『海に近い大きい公園』だろうか。 当日は台風が近づいてきていたので流石に人の数はまばらだったが、それでもBE KOBEのオブジェクトにはたくさんの人が撮影待ちの列をつくっており、スタバも結構混んでいた。スタバには入らずに自販機のコーヒーを手にベンチでしばらく休憩した後、空き缶とカメラを手にメリケンパーク内をウロウロする。

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何枚か写真を撮った後、手に持ったコーヒーの空き缶が邪魔になってきたので、ハーバーランドのモザイクへと移動することにした。なぜかメリケンパーク内の缶用ゴミ箱は封鎖されていたからだ。どうやら犬の糞を捨てる人がいるらしい。直で入れていたのか、袋に入れたものを捨てていたのか、どちらにせよそんな人とは一生分かり合えないと思った。

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メリケンパークからモザイクに向かう途中には神戸のシンボルの一つ、ポートタワーがある。ポートタワーの隣にはKiss FMのスタジオがあるので、神戸が誇るDJ、ターザン山下に会えるかも思ってしばらくウロウロしてみたものの、丁度オンエアの時間帯だったことに気づいて後にする。

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メリケンパークとは対象的に、モザイクには結構人がいた。ここでもパシャパシャと写真を撮っていると外国人の観光客に声をかけられた。肩からソニーのフルサイズミラーレスを下げた白人の男性。どうやら彼も以前E-M5を使っていたらしい。幸い英語圏の方だったのでコミュニケーションには問題なかった。 彼に先程歩道橋で上手く取れなかった動きのある写真について聞いてみたら、明るい場所でそういう写真を撮りたいならフィルターを使えばいいみたいなことを言われる。しばらくそういう会話を交わした後、最後に彼ののカメラを少し触らしてもらって別れた。

久々に英語で会話して頭が疲れてしまったので、フォトウォークを切り上げることにした。帰る前にソフマップによって他のカメラやアクセサリーを見てみる。別にE-M5に大きな不満があるわけではない。そもそも不満を感じるほどの知識もない。モザイクで会った男性が、「動画も撮ってみると結構面白いよ。でもそうなると他のカメラも考えてみた方がいいかも。」と言っていたので、もし動画撮影も含めて考えるとどのカメラにすれば良いか調べてみたかったからだった。とはいえ、すぐに買い換えるだけのお金があるわけじゃないので、カタログだけもらって妄想を膨らませるだけにする。

こうして、初めてのフォトフォークは終わった。 考えてみると、”どこかに行くついで”にカメラを持っていくことはあったが、”カメラを使うことを目的”にどこかに行くことは初めてだったと思う。 カメラの使い方も少し覚えることができたが、それよりも大きな発見だったのは、よく知っている街並みが視点を変えるだけで新鮮なものとして映ること。久々に心から楽しかった。