イライラするほど嫌なことがあった時も『セトウツミ』を読んだらどうでもよくなった

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このストレス社会、ストレスを抱えてイライラしている人も多いと思う。厚生労働省によると、12歳以上の約半数近くがストレスを感じているらしい*1。

そんな人に読んでもらいたいのが、漫画『セトウツミ』。
僕もここ最近、プライベートで大きな変化がいくつかあり、不安からイライラすることが多かった。一時は、そのせいで夜も眠れなくなるほど。そんな時、『セトウツミ』を読んだら、それまで抱えていた嫌なことが何かどうでもよくなってしまった。

漫画『セトウツミ』とは

セトウツミは月刊少年チャンピオンで2017年まで連載されていた漫画作品。
基本的には二人のメインキャラクター、頭が良くクールな印象だが家庭と性格に問題がありそうな『内海』と、天然で内海とは別の意味で家庭に問題がありそうな『瀬戸』が川原でただただ会話をするだけのもの。使用言語は関西弁。瀬戸がボケて、それを内海がイジっていくという話の流れが多いが、たまに内海がボケていたりもする。内海が天然でボケる様子は、まさしく真面目系バカといった感じで、普段のイメージとのギャップが面白い。
他にも、名前と顔面が左右対称な『田中』、瀬戸の友達の『蒲生』、大道芸人の『バルーンさん』、瀬戸の思い人だけど内海が好きな『樫村さん』や、瀬戸を好きな『ハツ美』など、様々な登場人物が二人と絡んで会話劇を繰り広げていく。ほとんど川原で話しているだけなので、場面展開などはあまり多くない。各話によって違うけれど、会話劇なので(漫画としては)文字量がそこそこ多い時もある。

セトウツミの魅力

僕が思うセトウツミの魅力はその『どうでもよさ』にあると思う。
基本的には二人の会話を眺めることがストーリーの中心。客観的に考えると本当にどうでもいい話しをしているんだけど、二人の返しで笑いとして昇華されている。ちなみに、主人公二人はそれぞれ何かしら抱えていて(主に内海)、面白い話題の中に、彼らが抱えるダークな面がたまに見え隠れするそのギャップが面白さをさらに際立たせている。
そんな内容の面白さもさることながら、ただただ登場人物が喋るだけという動きのない話を漫画として描いている作者もすごいと思う。特に会話途中の間の取り方や見せ方が上手い。
おススメしたい話は色々あるが、僕が一番好きなのが『絵しりとり』の話。読む人のハードルをあげてしまって「え、思ったより面白くないやん」となるのは嫌なので、詳細は控えておく。ぜひ過度な期待をせずに単行本で確認してみてほしい。

映画やテレビドラマも

セトウツミは漫画だけでなく、2016年には映画化、2017年にはテレビドラマ化している。
映画版では瀬戸を菅田将暉、内海を池松壮亮が、テレビドラマ版では瀬戸を葉山奨之、内海を高杉真宙がそれぞれ演じている。正直に話すと、僕は映画とテレビドラマのどちらも見ていない。
というのも、僕はセトウツミの面白さは、間の取り方といった会話のテンポにあると思っているのだけれど、映画の主演である二人が演じたYoutubeビデオの会話のテンポが、自分の持っているイメージと少し違うと感じたから。あくまでもYoutubeビデオを見ただけの感想で、映画本編は見ていないので本当は違うのかもしれない。今は興味はあるが、原作のイメージが壊れてしまったらどうしようという不安があって、まだ手を出せていない状態。
テレビドラマ版は単純に知らなくて見れなかったので、機会があればチェックする予定。


池松壮亮&菅田将暉!映画『セトウツミ』特報1「けん玉」

最終巻の衝撃

尚、セトウツミは全8巻ですでに完結しているが、最終巻の展開はそれまでの話とは少し毛色が違う。それまで少しずつ出ていた伏線のようなものが一気に回収されていく流れで、内容は衝撃的だったけど、最終的にはすごくいい終わり方をしたと思う。
色々と書いたけれど、セトウツミのシニカルな笑いはイライラを緩和してくれる効果があると思うので、ストレスが貯まっている人はぜひ手に取ってみてほしい。

*1 平成28年国民生活基礎調査の概況 (http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/16.pdf)