車を売却して車無しの生活へ、売却の方法とその感想

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ここ10年ぐらい車ありの生活を続けていたのだが、1月下旬がちょうど保険の更新時期になり、今年は車検も控えていたので思い切って車を手放し車なしの生活を送ることにした。 決意したのはいいものの、いざ手放すとなるとどういった手続きをしたらいいのか分からず、保険の期限が迫る中ネットで検索する日々。今回は僕がやった手続きや使用したサービス、その感想などを書いていく。

車を手放そうと思った理由

そもそも車を手放そうと思った理由だが、これは生活費のコスト見直しによるものが大きい。直近1年分の車の維持にかかった費用を見直すと以下の通り。

  • 駐車場代 約170,000円
  • ガソリン代 約85,000円
  • 自動車税 約50,000円
  • 任意保険代 約55,000円
  • その他(メンテナンス・修理費等) 約32,000円
  • 車検代(自賠責保険含む) 約65,000円(130,000円を1年分に換算)

加えて高速代や出先での駐車場台が加わるので、維持費用に年間約500,000円ほどかかっている計算になる。もちろん、コストの見直すことによって維持費用を抑えることができるのかもしれないが、見直せるのはせいぜい任意保険代と車検代ぐらい、それも大幅に減額することは難しいと思う。 頻繁に車を使うのであれば上記の費用を払って維持し続けるのもありかもしれないが、現在の生活で車を使うのは月に4~6日程度しかない。車がなくなったとしても、徒歩10分程度の距離に複数の沿線の駅があるので交通手段には困ることもない。 唯一困るのは週に一度まとめ買いしている食料品・日用品の買い出しぐらいだが、幸い徒歩圏内に大型のスーパーなどがあるのでこまめに買い物に行くようにすれば問題ない。

車を手放すためにまずやったこと

維持コストを見直し、生活環境を考えた上で車を手放すと決めた時に最初に考えたのが、どのように処分するのが一番メリットがあるか?ということ。そこで思い浮かんだのが、「譲渡」、「売却」、「廃車」の3つの方法だった。

譲渡

丁度知人が車の購入を考えていたところなので譲渡することも考えたが、もし不具合や問題があった場合に友人関係にヒビが入るのが嫌で却下した。また、もともと家族から譲り受けた車で名義変更をしてなかったので、名義変更の手続きが面倒臭そうだと感じたことも譲渡を止めた理由の一つ。

売却

車を処分にあたり、まず考えるのが売却だと思う。乗り換えで、かつ手続きが面倒くさく感じる人はそのままディーラーに下取りに出すこともあると思うが、最近はディーラー下取りより高く買取するという中古車買取店のCMをテレビやラジオでよく耳にするようになった。気になった業者に直接連絡する方法もあるが、カーセンサーや楽天などの一括見積もりサイトを使うほうがより一般的だと思う。

廃車

事故車など、車としてはもう機能しない場合は廃車にするしかないと思う。廃車にするには直接業者に連絡して引き取ってもらったり、廃車買取の業者に連絡して持っていてもらう方法があるだろう。この場合、車としての価値はなくても鉄としての価値が残るため、車に値段がつくことが多いらしい。ディーラーなどで廃車手続きをできる場合もあるようだが、この場合はオーナーがお金を払って廃車手続きをお願いすることになるみたいだ。なので、廃車にする場合はディーラーではなく業者に持ち込んだ方がいいと思う。 今回は、古いとはいえ車は普通に動く状態だったのでまず一括見積サイトに登録して見積もりを取ることにした。それでも値段がつかなかった場合は廃車買取業者に依頼するか、お金を支払って廃車の手続きをしてもらうしか無い。

一括見積もりサイトに登録

今回、一括見積もりに利用したのは、「カーセンサー」と「楽天オート」の2つ。どちらのサイトも車の情報や自分の情報を少し入力するだけだったので手間は全くかからなかった。しいていえば、走行距離や車検証を調べるために車までいくのが少々面倒臭かったぐらいだろうか。 必要な情報を登録したあとは、見積もりを依頼する会社を選ぶことになる。住所から近くにある会社を複数リストアップしてくれるので、気になる会社にチェックをいれて送信するだけでいい。後は依頼した会社からの連絡を待つだけ。 今回はよくCMを流している大手2社と、地元を中心に営業している業者3社の計5社に見積もりを依頼することにした。

大手B社

最初に連絡をくれたのは大手のB社。夜に登録して、次の日の朝に電話がかかってきたのでかなり素早い対応だったと思う。とはいえ、土曜日の朝8時前の電話は少々素早すぎる気もするが。この電話で気づいたのだが、どうやら僕は走行距離を間違えて登録しており、実際の距離より0が一つ少ない数字を入力していたらしい。 電話でそのことを確認されたので、正しい走行距離と具体的な型番を伝えた。確認のために少し待った後、その型番と走行距離では値段をつけることが難しいということで断られた。

大手G社

次に連絡をくれたのが大手のG社。先のB社との電話が終わって1時間もしないくらいだったと思う。とりあえず電話口で正しい走行距離と型番を伝えた後、見積もりを出すために写真を複数枚撮って送るように頼まれたため、10枚ほど撮影して指定されたメールアドレスへと送った。 返事が来たのは翌日。最初に担当してくれた人が休みだったようで別の人からの連絡だったが、B社と同じくこちらも値段をつけるのは厳しいとのこと。その後、自社が提供している個人売買サイトへの登録を執拗に勧められたが、車を手放さないといけない日まで時間がなかったので断る。また、廃車の可能性も考えていることを伝えると、廃車手続きが可能な店舗と費用を教えてくれたのだが、事前に連絡して行くと断られる可能性があるので連絡せずにいきなり持っていって下さいと言われる。それはどうなんだろうか。廃車費用は1万円程度だった。

地元N社

大手G社からの返事が届く前に連絡をくれたのが地元のN社。上記2社はカーセンサーからの登録だったが、こちらは楽天オートから。楽天オートでは走行距離を正しく入力していたらしい。 事故の有無や手放したい時期などを確認された後、出張査定がしたいとのことで、週末に来てもらうことになった。

地元F社

こちらもN社と同じく、事故の有無や手放す予定の時期などを確認された後、出張査定に来てもらうことになった。日程を都合するのが面倒くさかったため、N社と同日の1時間ぐらい前に来てもらうことに。

地元J社

フリーダイヤルからの不在着信があったので調べてみると、J社の電話番号だった。折り返さずにそのまま放置していたが、再度の連絡は来ず。自宅から徒歩圏内にある業者のようだったので、もしかしたらこっそり見に来て、「これはないな」と思ったのかもしれない。

出張見積りの立会い

結局、N社とF社の2社に来てもらうことになった。正直、この時点でB社とG社には断られていたし、J社からの連絡もなかったので、最悪価格がつかなくても無料で引き取ってもらえたらいいかな、ぐらいに考えていた。 ちなみに車は10年以上古い型のHonda オデッセイで両サイドのミラーに破損があり、他にも細かいする傷や小さい凹みが多数ある状態。中古車で買おうとしたら、多分20万以下で同じぐらいの年式のもっときれいな状態のものを見つけることができると思う。

F社の見積もり

最初に来てくれたのはF社の営業の方。事故の有無などの再度の確認をしたあと、車検証のチェック、ボディ・内装の状態、エンジンをかけてエンジンルームの確認などを入念に行っていた。 その後、チェック中に撮影した写真をおそらくアプリ経由で送信した後、どれぐらいの価格であれば売却が可能かどうか聞かれたのだが、バカ正直に大手2社では値段がつかず、金額に関してあまり希望はないと答えてしまう。ここはブラフでも少し高い金額を言っておいた方が良かったかもと少し後悔。しばらく雑談した後、査定価格に関する連絡が会社から届いたようで、伝えられた査定金額は3万円だった。そして、その場で即決してもらえるのであれば、5万まで引き上げるように上司に交渉しますと言われる。もう一社査定が控えていることは伝えてあったし、こういう査定の場合、後から来た方が基本的に有利なのでそれを防ぐ狙いもあったんだろう。魅力的な提案ではあったが、なにせこちらには知識がない。果たしてそれが妥当な提案なのかどうかはやはり他社と比べてみないと判断はつかなし、そもそも名義が自分ではないので名義人である家族に確認する必要があり、この提案は一旦断らせてもらった。

G社の見積もり

ちょうど、F社の営業の方が帰るタイミングでG社の営業の方が到着した。鉢合わせになった格好だが、どうやら知り合いのようで軽く雑談をした後、F社の担当の方は帰っていく。話を聞くと、業界内で転職する方が多い上、広い業界でもないのでお互いが知り合いであることは割と多いらしい。 F社の営業はスマホで写真を撮ってアプリ経由で送信した後、おそらくそれを確認した上司の方が査定金額を出したようだったが、こちらの方は本人がその決定権を持っているようで、コンデジで写真をとりながらかなり細かく車の状態を調べていた。 確認後、まず聞いてきたのはF車の見積もりがいくらぐらいだったのかということ。これは気になるところだろう。正直に3万円であることを伝えると、先方が提示してきた金額はそれより5千円ほど多い、3万5千円だった。まさに後出しジャンケンである。よく考えたら、F社5万円まで交渉すると言っていたので、その金額を言っていればよかった。

売却先決定、その後の流れなど

F社、G社と査定に来てもらった結果、最終的に売却先をF社に決めた。これは別にF社の提示した金額の方が高かったからではない。そもそも5万円という金額はその場で即決したらの話だったし、それも断っているので査定金額はG社より低い3万円のままだ。売却を伝えた後の最終的な金額は、F社の営業の方が頑張ってくれて4万円にはなったが、F社を選んだ、というよりG社を選ばなかったのは金額を伝えた時の営業の反応にある。 おそらく当初G社の営業である彼の中での査定金額は3万円より低かったんだろう。3万円という金額を伝えた時の第一声が、「え、これにそんなにですか。」だった。そして、この一言がG社を選ばなかった理由。確かに古くてあまり価値のない車かもしれないが、僕にとっては色んな場所に連れて行ってくれた相棒のようなもの。それを"これ"呼ばわりされていい気はしない。それにできるなら売却した後もできるだけ大切に扱ってほしいので少しの金額差は問題ではなく、この時点でG社に売却するという選択肢はなくなった。

売却の手続き

午前中に査定に来てくれたF社の方は、その日の夕方に必要な書類を持って再度訪れてくれた。必要書類は複数枚あったのだが、記入するのも住所や勤務先ぐらいで年末調整の書類のような煩わしさはない。印鑑証明を登録・発行するのが面倒臭かったぐらい。 当日すぐに用意できるものではなかったので、必要書類を一旦受け取って後日車の引き渡し時に渡すことになった。

車の引き取り

車の引き渡しだが、こちらから業者に持っていく必要はなく、業者が再度取りに来る形だった。車が自走できない状態だったらレッカー移動などになり、別途費用がかかるのかもしれないが、幸い車は自走できる状態。引き渡し日に指定したのは査定から2週間後の週末。その間は乗っても構わなかったが、下手に傷つけたりするのも嫌だったので遠出はせずにせいぜい買い物に使う程度に抑え、前日には今まで乗せてくれた感謝も込めて手洗い洗車できれいにしておいた。 当日は必要書類を渡した後、業者による外観と車内に残っている荷物のチェック。事前に不必要なものはそのまま乗せておいてくれたら向こうで処分しますと言われていたので、ドリンクホルダーやサンシェードなどはそのまま積んでいたのだが、それらを本当に持っていって大丈夫かどうかを確認された後、引き渡し書類にサインして終了。あっさりとしたものだった。

車の売却を通して感じたこと

とりあえず今のところは、経済的な負担が軽くなったことの安心感と今まで当たり前に存在していたものがなくなった喪失感が半々ぐらいで、車のない生活に対する不安みたいなものはない。ただ、今回の経験を通して感じた後悔と、今後売却を考える際に注意しておきたいことを書いていく。

注意点

査定にだすなら早めに行う

今回、手放す期限ギリギリ(具体的には任意保険が満期になり、駐車場の契約もきれる時期)になってようやく重い腰を動かしたので、あまりきちんと準備する時間をとれなかった。もっと早くに行動に移していたら必要になりそうな書類の情報、おおよその価格帯の調査、業者の評判などをじっくり調べることができ、査定にプラスに働いたのかもしれないという思いがある。やれるだけのことをやっていない状態での売却となったので、やや消化不良感があることは否めない。手放すことに対して中々踏ん切りをつけられなかった自分が完全に悪いけど。

人気車種を一括査定に出す時は注意が必要

これは今回お世話になった営業の方から聞いた話で、今回の僕のケースには全く関係がないのだが、人気車種で年式も新しい車種を一括査定にかけた場合は問い合わせの電話がひっきりなしにかかってくるらしい。また、多くの業者が出張査定を希望するのでその対応にも時間を割かれるし、下手をすれば業者の方が一度に10人程度並んだ状態で査定を待つこともあるようだ。 結果的により高値で売却できることもあるが、人気車種で状態も良ければディーラー買取でもそこそこいい金額がつく可能性もあるし、かかる手間を考えればそこまで得にならないんじゃないかとのこと。アルファードやハリアーなどの人気車種を一括査定にかけるときは軽い気持ちではなく、何が何でも高値で売るという意思をしっかりと持ってからの方がいいのかもしれない。 車の売却についてはこんなところだろうか。 今後しばらく車無しの生活を続けてみて、生活の変化やメリット・デメリットなど感じたことを書くつもり。